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[読書]アルベルト・アンジェラ『古代ローマ帝国 1万5000キロの旅』 [ギリシャ・ローマ]

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今までローマ関連の本はいくつか読んできましたが、ローマの社会風俗についてこれほど詳しい本はなかなかないと思います。ローマで使われていたセステルティウス通貨がローマ帝国の各地方を巡るとともに各地の様子を描くという手法で描かれているのですが、地方ごとの特色がしっかりと出ていて面白い内容になっていると思います。


やはりローマよりも地方や辺境の様子が面白いですね。冒頭はロンドン(ロンディニウム)の様子から始まっていますが、やはり辺境だけに住民はケルト人のほうが多く、周囲では原住民が刺青をして祭りをしている様子なども描かれます。ロンディニウムは商売のために一から作られた土地だったのですね。今のテムズ川のような跳ね橋も存在していて、船が通行できるようになっていたそうです。


ローマ人の発明になるものは靴下や生ハム・ビキニ・蝋燭や滑車にビー玉・選挙用ポスターやコンクリートや下水道・拡大鏡など。眼鏡のレンズはネロ帝が剣闘士を見るために用いたといわれています。ローマ人の文明の力には驚かされますね。


ローマは開かれた帝国であったといわれますが、その様子は17章の「アフリカ 人種差別のない帝国」で描かれています。ローマは北アフリカの内陸部にタムガディという都市を建設していますが、この都市は建設後50年で住民がほぼ地元のヌミディア人ばかりとなり、残された落書きからヌミディア人がテルマエに入るのを楽しみにしていたことが分かっています。ローマは都市建設でヌミディア人を見事にローマ化するのに成功したのです。


古代ローマでは人種や肌の色で差別を受けることはありませんでした。ローマは開かれた帝国だったのです。軍人皇帝のセプティミウス・セヴェルスは褐色の肌だったといわれますが、そういう人でも皇帝になれたのです。フィリップス・アラブスはその名のとおりアラブ人でしたし、五賢帝のひとりであるトラヤヌス帝もスペイン人です。各民族の宗教も尊重されていました。ただし、財産と社会階級による厳格な差別は存在しています。


ライン川付近ではゲルマン人との戦いの様子や、スペインでは金採掘の様子が描かれるなど、地方の状況に応じて多彩なローマ帝国の内実が描かれています。創作の参考にもなりそうですし、ローマだけでなく歴史に興味のある人なら満足できる1冊ではないかと思います。


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